こい わずらい

あおいそら やさしいくうき あざやかなみどり もういや こんなせかい きえてしまえば いいの に あおいうみ やさしいえがお あざやかなきおく もうだめ そんなせかい ありえるはずが ないの に きみはわらって ぼくをなでる きみはやさしく ぼくをよぶ とじかけていたのに きみは こじあけた あきらめていたのに きみは ぼくを…… そんなことをぼくにいうから きみはいつもぼくしかみない そんなことをきみにいったら ぼくとずっときみしかみない なんてやさしいせかい なんてざんこくなせかい どうしてだろう ぼくをなでるきみのては だれよりもつめたくかんじるんだ ううん、きっときみはあたたかいんだね? でもね、ざんねんだけどぼくはわからない ぎゅっとだきしめても きゅっとくびをしめても ぼくにはわからない わからない わからない でもきみは わらうんだね やさしくやさしく 「ぼくはいつも きみのそばにいるよ」 ああ またわらった でも またないてる 「きみのそばにいたい」 「きみをたすけてあげたい」 「ぼくはきみにしあわせをしってほしい」 なきながら きみはわらう いいながら きみはふるえる いつまでも ぼくのてをにぎったまま きみはそっと ぼくをだきしめた きれいなせかい きれいなきみ きれいなこころ きれいなおと そして きみは よぶ 「ぼくがずっとそばにいるから」 ほんとにそう? 「ぼくはきみをしあわせにしたい」 ほんとにできる? 「いつだってきみのてをとりたいんだ」 あ わらった そらは いろがなくなった くうきは かんじなくなった みどりは ひからなくなった せかいは みにくくなった きみがまぶしすぎて せかいはきえた なにかが こわれたおとがした